今回、M11とM11 Proそれぞれの音の傾向を比較してみました。 なお、M11 Proの使い勝手などの記事は以下に記していますので、参考にしていただければ幸いです。
手に入れた動機
日本以外では2019年9月に発売されていましたが、M11に満足しており、手に入れるつもりはありませんでした。e-イヤホンが出展しているPayPayモールで、PayPay 100億円あげちゃうキャンペーンで約20%分のポイントバックがあったことから、今がチャンスと判断し、購入しました。スペック比較
DACとアンプに大きな違いがあります。また、同じSoC、OSのことから、操作感はM11と同じです。仕様 | FiiO M11 Pro | Fiio M11 |
CPU | Exynos 7872 | Exynos 7872 |
DAC | AK4497 * 2 | AK4493 * 2 |
コアコンポーネント | SoC: Samsung Exynos 7872, DAC:AK4497EQ*2, FPGA:A3P030, LPF: OPA1642*3,LMH6644*2, Volume IC : NJW1195 Bluetooth chip: SAMSUNG S5N5C10B01-6330 | SoC: Samsung Exynos 7872, DAC:AK4493EQ*2, FPGA:A3P030, LPF:OPA1612*2, AMP:OPA926*2, Bluetooth chip: SAMSUNG S5N5C10B01-6330 |
WiFi | 2.4/5G, WiFi transmission supported | 2.4/5G, WiFi transmission supported |
Bluetooth | 4.2 | 4.2 |
Bluetoothオーディオコーデック | LDAC/ aptX/aptX HD/ HWA(LHDC)/SBC | LDAC/ aptX/aptX HD/ HWA(LHDC)/SBC (Available when playing on M11 or using M11 as USB DAC) |
ROMユーザー使用可能領域 | 52GB | 25GB |
ストレージ拡張方式 | Micro SDカード(スロット*1) | Micro SDカード(スロット*2) |
外径寸法 | 70.5mm*130mm*16.5mm | 70.5mm*130mm*15.5mm |
重量 | 232g | 211g |
外観の比較
外観は、見た感じではあまり区別はつかないです。M11 Proは、側面に「PRO」と印字があるのと、厚みが1mm程度厚いことくらいです。手にしたときの感触や重さに違いは感じられませんでした。聴き比べ
前提
使用したイヤホン
- 2.5mm バランス
- 3.5mm アンバランス
リンク
M11およびM11 Proの設定
- DSD変換モードを有効
- ゲイン
- 3.5mmのとき、ハイゲイン
- 2.5mmのとき、ローゲイン
- 可聴帯域外フィルタは、Short delay Sharp Roll-Off Filter
- イコライザは、ロック
課題曲の音源
- SDカードに保存した音源
- CD音源をiTunesを利用してALACでリッピング
- Pure Musicモードで再生
- ストリーミングサービス
- TIDAL(HiFi音源をダウンロードしたもの)
Sunday Service Choir / Rain
Album Title: Jesus Is BornRelease date: 2019/12/25
TIDAL HiFi音源
M11は、音が面として表現されている感じで一体感のあるグルーブを表現しています。また、ギターの弦を指でなぞる音などが少し強調されたり、私にとってはいい感じでデフォルメしているような印象です。
対して、M11 Proでは楽器や声などの要素が空間を伴ってそれぞれ鳴っている印象で面白いです。
M11 Proは、良くも悪くも音源を厳格に再現しようとしているように思えます。このアルバムはさすがカニエという感じで非常に調和されたマスタリングですのでそれぞれの音が重なって綺麗な音楽になりますが、マスタリングが失敗していると粗が目立つような性格なのかもしれません。 ちなみに、M11 Proの3.5mmが一番気持ちよく聴けました。
いきものがかり / 気まぐれロマンティック
Album Title: 超いきものばかり 〜 てんねん記念メンバーズBESTセレクション 〜Release Date: 2016/3/15
ALAC (44.1kHz / 16bit)
Perfume / シークレットシークレット
Album Title: Perfume The Best “P Cubed”Release Date: 2019/9/18
TIDAL HiFi
M11は、単純に聴いていて楽しい。音のアタックが強く感じられ、メリハリがある印象です。
Marlena Shaw / Feel Like Makin’ Love
Album Title: Blue Note Trip 2: Sunset/SunriseRelease Date: 2006/1/1
TIDAL HiFi Album Title: Hiroshi’s Kick Back Vol.2 Compiled by Hiroshi Fujiwara
Release Date: 2005/3/2
ALAC ( 44.1kHz / 16bit )
M11 Proで、TIDALおよびALACに共通していることは、音の分離が適切に行われている印象。すごく聴きやすい。
TIDALは、控えめだけど必要十分に下支えしているベースの上で、左右のギターとエレキピアノがふわふわと気持ちよく鳴っている。全体的な見通しも良く。
ALACは、それぞれの音が力強く立ち上がって主張する。02:10あたりの盛り上がりからその主張は強くなる。TIDALと比べて抜けはよくないのだけれども、なぜか気持ちいい。 いっぽう、M11では、TIDALおよびALACともにそれぞれの音が元気良すぎて、2:10あたりから音の洪水になり溺れそうになります。
結論
FiiO M11 Proは、M11と比較して次の特徴というか、差がありました。- 取り回しや使い勝手は、同じ
- M11 Proは、SDカードスロットが1つ
- 電池の持ちは、正確に測っていないが同じくらい(上記条件で再生し、1時間で約15%消耗した)
- M11よりM11 Proのほうが、生楽器の再現性が高い
- M11よりM11 Proのほうが、音場は広い
- M11よりM11 Proのほうが、一音の解像度は高く、輪郭は濃いが耳に刺さることはない
- M11 Proは、再生中の発熱がすごい。やけどするまでではないが、冬場はいいカイロになると思う
- M11 Proは、良くも悪くも録音内容を素直に表現する。一音一音が構造化され、適切にマスタリングされた音楽であれば気持ちよく聴けるが、そうでない音楽の場合、バランスの悪いまま耳に入ってくる。その点、M11は懐が深いというか、いい意味で曖昧にして、それなりの音楽にしてくれる
リンク
リンク
コメント