購入して1ヶ月経過し、その間使っていて気がついたことなどを紹介できればと思います。
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また、M11との鳴らし比べに関する記事も書いていますので、興味がありましたらご参照ください。
FiiOについて
FiiO Electronicsは、中国のポータブルオーディオメーカーで、コストパフォーマンスの高い商品を展開しています。私は今までBTR3、M9、M11などのFiiOの製品を使ってきましたが、どれも満足しています。なお、日本の代理店は、株式会社エミライになります。
M11 Pro
概要
FiiO M11 Proは、2019年12月24日に日本で発売されたデジタルオーディオプレイヤー(DAP)です。なお、海外では2019年9月ごろから発売していましたが、日本国内の技適認証の関係により海外から3ヶ月程度遅れて日本で発売となりました。 今回紹介するM11 Proは、M11の上位機種という位置付けで、外観のデザインはほぼそのままに、主に次のような点でアップグレードしています。 DAC : AK4493EQ×2 → AK4497EQ×2マスタークロック : 1系統 → 2系統
アンプ回路 : FiiOオリジナル → THX AAA-78
ボリューム回路 : デジタルボリューム → アナログボリューム(ADC)
バッテリー容量 : 3800mAh → 4370mAh
内蔵メモリー : 32GB → 64GB
サイズ : 70.5mm130mm15.5mm → 70.5mm130mm16.5mm
重量 : 約211g → 約232g また、世界限定1,500台でM11 Pro Stainless Steel Editionが発表されました。(日本では2020年1月24日に発売)M11 Proと、M11 Pro SSの聴き比べを次回は紹介できればと思います。 なお、2020年2月1日時点で日本では流通していませんが、FiiOのDAPのフラッグシップは、M15となります。
外観
M11 Proは、幅70.5mm、高さ130mm、厚さ16.5mmです。M11は、幅70.5mm、高さ130mm、厚さ15.5mmで、厚さが1.0mm違うだけで、手に持った印象に差はありません。
正面
正面は、ベゼルレスなディスプレイのスマホのようです。ディスプレイはIPS液晶でサイズは5.15インチ、アスペクト比は18:9で、M11と同じ仕様です。裏面
ガラスやカーボンなどからなる背面で、美しく仕上がっています。右側面
Micro SDカードのスロットが1つあります。SIMカードのようにピンを指して台座を取り出すような仕組みです。左側面
ボタンの配置は、M11と違いはありません。上から、再生/停止ボタン、音量、先送りボタン、後送りボタンがあります。M11もそうでしたが、M11 Proのボタンは総じて適度に力が必要な硬さで、また、少し奥まったところにあるため、今のところ誤操作はありません。
上部
LEDが周囲を囲む電源ボタンがあります。電源を入れたり、充電中だとボタンの周りが青くゆっくり点滅します。下部
左から3.5mmシングルエンドと、2.5mmの4極バランス、さらに4.4mmの5極バランス出力端子があります。また、USB Type Cの端子があり、充電や音楽データの転送に使用します。付属品
硬度7Hのガラスフィルムが予め本体にセットされた状態で梱包されています。自分で貼り付けて失敗することが多いので、本当にありがたいです。
また、充電用のUSB Type-C to Type Aケーブルが付属します。
なお、M11で付属されていたTPU保護ケースですが、M11 Proは発熱の都合か、付属されていません。
スペック
詳細なスペックは公式のページで確認いただければと思います。ちなみにM11のスペックはこちらで確認いただけます。
使い勝手
スマホのように扱える
OS
OSは、FiiOによってカスタマイズされたAndroid 7.0ですが、OSにログインするためのアカウントを追加する、といったことはできません。そのためGoogle Play Storeは利用できないものの、サードパーティのアプリストアを利用することで、様々なアプリをインストールすることができます。 [ 2020/3/8追記 ] Google Play StoreをインストールするファームウェアをFiiOが公開しました。サクサク
SoCはsamsungのExynos 7872で、Kirin 659やSnapdragon 625などミドルクラスのもののようですが、音楽の再生や、chromeでwebを閲覧するくらいであれば、サクサク動き、ストレスは皆無です。アプリのインストール
Applicationsというアプリで、FiiOが認可したアプリのダウンロードが可能です。ただし、全てのアプリがM11 Proで利用できるわけではありません。FiiOのFAQでも周知があり、こちらには、株式会社エミライが確認した対応アプリ一覧があります。利用を希望されるアプリが対応しているか、確認いただければと思います。
以下、私が試したアプリを記載いたします。
TIDAL
APK PureからダウンロードしたTIDALを使ってみました。ログインなど特に問題なく利用できています。Spotify
APK Pureからダウンロードし、使ってみました。ログインなど特に問題なく利用できています。Apple music
FiiOのApplicationsでダウンロード対象でないため、APK Pureからダウンロードしました。インストールもできるのですが、Apple IDでのサインインができず利用できないです。(Apple IDとパスワードを入力し、サインインボタンを押下しても次画面へ遷移しない)ダウンロードしたAPKの問題かなと思い、APKをAppleから直接ダウンロードし、インストールしてみましたが、それでも同じくサインインができず、利用できません。
Amazon Music HD
APK Pureからダウンロードし、インストールしたところ、問題なく利用できました。YouTube
APK Pureからダウンロードし、インストールまではできますが、アプリを起動すると次のような画面が表示され、起動ができません。radiko
利用できませんでした。radikoは端末の位置情報を使って聴取可能な放送局を特定する仕組みで、M11 Proには位置情報を測る仕組みがないため。
ラジオクラウド
実行時に次のメッセージが表示され、利用できません。楽曲ファイルの保存方法
M11のメモを記事にしています。M11 Proも同様の手順で楽曲ファイルの保存が可能ですので、参考にしていただければと思います。ネットワーク
WiFi
WiFiは2.4 / 5GHz対応です。とくにacで繋がった時、ダウンロードがサクサク進み、助かっています。Bluetooth
M11 Proからの送信で対応しているコーデックはLDAC / aptX / aptX HD / SBCになります。RHA MA750 Wireless とSONY WH-1000XM3で繋いでみました。右上に接続しているコーデックが表示されます。
FiiO LINK
FiiO LINKは、スマートフォンでM11 ProのFiiO Musicアプリを操作できるというものです。 Android: BluetoothおよびWiFiで対応iOS: WiFiのみ対応 Android同様、iOSでもBluetooth越しにFiiO LINKが利用できるようになることを、切に願います。 なお、操作手順などはM11と同じで、以前記事にしていますので、興味がありましたら参照ください。
電池、充電
FiiO M11 Proの商品紹介のページでは次のように記載があります。連続再生時間9.5時間、待機時間最大55日間というロング・ライフ動作を実現するほか、急速充電にも対応
充電が早い
Quick Charge対応のACアダプターを利用して、0%から90%まで、2時間くらいでした。電池の持ち
- 再生:
- DSD変換モードを無効にして、TIDAL(オフライン)を1時間、バランス接続で再生して8%くらいしか減りませんでした
- DSD変換モードを有効にして、TIDAL(オフライン)をバランス接続で再生すると、5分くらいで2%減りました
- Bluetooth(LDAC)でTIDAL(オフライン)を再生して、1時間で3%くらい減りました
- 待機:
- WiFiやBluetoothを有効のままの待機では、4時間で20%くらい減る時もありました。
ストレージ
MicroSDカードスロットが1つあり、2TBまで対応可能とのこと。M11の時にわかったMicroSDカードの相性による不具合の影響で、1つにしたようです。私はSanDiskのSDカードを利用していますが、今のところ問題は発生していません。ファームウェアのアップデート
ファームウェアのアップデートは、M11 Proがネットワークに接続されている状態であれば下図の手順で更新の有無の確認が行え、更新も可能です。- ホーム画面で「テクニカル…」をタップ
- テクニカルサポート画面で「ファームウェアの更新」をタップ
- 次画面で「更新の確認」をタップ
音質
有線でつなぐ
最初、私は単純に「M11の音をアップグレードしたのがM11 Pro」とか「M11 Pro > M11」と思っていましたが、聴き比べてその認識は誤りである事を知りました。 それぞれ異なる目的や思想で音作りされており、完全に別の系統の音です。M11はとても元気な音を鳴らしてくれますが、M11 Proはすごく繊細な音です。薄いわけではないのですが、細い音が広がる感じで、特にギターやトランペットなど楽器演奏の再現力が高く、また、ボーカルの余韻の表現力が高いと感じました。加えて、低音は引き締った音のため、曲によっては少し足らないかな、と思う時もあります。 余談ですが、星野源のPOP VIRUSをM11 Proで聴いた時、星野源が曲に込めた思いに近づけた気がして、深夜の喫茶店で泣いてしました。 参考までに、M11とM11 Proの聴き比べをした記事をリンクします。
Bluetoothでつなぐ
再生する場所や、イヤホンとの相性もあると思うので一概には言えませんが、安定して接続できていると思います。aptX
RHA MA750 WirelessとaptXでの接続を試してみましたが、途切れたりすることなく、いい音で聴けます。LDAC
SONY WH-1000XM3とLDACで接続して通勤で利用しています。混んでいる電車の中や駅ではたまに途切れます。余談ですが、LDACは、有線と変わらないくらい良い音です。Pure Musicモード
M11 Proには、M11と同じくPure Musicモードへ切り替えが可能です。Pure Musicモードでは、FiiO Musicアプリ以外利用できなくなりますが、音が全体的にふくよかになります。元々はストリーミングのオフラインをメインで運用していましたが、Pure Musicモードのおかげで、CDからリッピングしたALACであったり、e-onkyoで購入したハイレゾ音源を聴くのが本当に楽しみになりました。
結論
繊細な音が、とても気に入りました。M11で満足していましたが、違う音楽の側面に触れられた気がして、嬉しいです。- M11はTPU保護ケースをつけて運用していましたが、M11 Proは裸で運用しています。そこで気づいたのですが、手に持った時のアルミの感触がとても気に入っています
- サイズ感や重さは、M11とほぼ同じで、違和感はないです
- M11 Proの鳴らす音は、M11とは全く異なる系統です。M11 Proは音場が広く、繊細な音色で、楽器演奏の再現力はとても高いと思います。まずは試聴していただきたいです
- TIDALやAmazon Music HDのオフラインを、好きな場所で、いい音で思う存分に楽しめる環境が整い、非常に満足しています
- イヤホンの端子が3.5mm、2.5mm、4.4mmとあるので、イヤホンやリケーブルの試聴には困らないです
- 火傷するほどではありませんが、思ったより発熱します。DSD変換モードを無効にしてもそれなりに発熱します
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