FiiO M11 ProとFiiO M11 Pro Stainless Steel Editionの鳴らし比べ

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M11 ProとM11 Pro SSDAP
FiiO M11 Proは、2019年12月20日に日本国内で販売が開始されたデジタルオーディオプレイヤーです。電気的な機構はそのままに、筐体をアルミからステンレス(SUS316)に変更したFiiO M11 Pro Stainless Steel Editionが、世界1,500台限定で2020年1月24日に発売されました。 M11 ProとM11 Pro SSで鳴らし比べをしてみました。外観が違うだけのはずですが、明らかに音が異なり、面白いです。 なお、M11 Proの紹介記事を書いていますので参考にしていただければ幸いです。

M11 Proと M11 Pro Stainless Steel Editionの違い

FiiO Japanのサイトでは、次のような説明があります。
  • SUS316は、18%のCrと12%のNiを含み、さらにモリブデン(Mo)を添加して耐食性、耐孔食性を向上させたステンレス鋼のことです
  • 約1.3kgのSUS316のブロックを、アルミニウムの4倍の切削時間をかけて特殊なタングステン製切削ツールを使ってCNC加工し、手磨き工程、レーザー刻印、PVDコーティング、AFフィルムコーティングを経て約130gになるまで加工しています
  • 最終的な製品の重量は、通常のM11 Proと比べて約90g重い、約320gとなる予定です
双方それぞれを外出時に使ってみましたが、90gとは言え、圧倒的にM11 Proの方が扱いやすいです。また、手に持った感触もM11 Proの方がサラッとしていて好みです。(M11 Pro SSは、重く、角ばっていて手にしたときの金属感がとてもあります。)
M11 Pro
M11 Pro SS

余談 AK4497EQというDAC

FiiO M11 Pro、M11 Pro SSそれぞれDAC(デジタル信号をアナログ信号に変換する装置)に旭化成エレクトロニクス株式会社(AKM)のAK4497EQが2つ使われています。価格は2020年2月13日時点でAK4497EQは単価が5,930円です。 2016年にAKM社のフラグシップモデルとして発表されたAK4497EQは、Astell & Kern A&ultima SP1000COWON PLENUE 2Cayin N6iiといったそうそうたるデジタルオーディオプレイヤーに搭載されています。もちろん、発売時期や、その他の部品や音質の調整などDAC以外のコストも当然あるわけで、単純に「SP1000と同じAK4497EQを使っているからM11 Proはお得」とは言えません。それでも、FiiOという会社が、いいものをより多くの人に届けたいという意志を持って行動しているように感じられ、そしてその商品が私の手に届き、音楽を好みの音で聴くことができて、本当に頭が下がる思いです。 ちなみに、日本では現時点で未発売のフラグシップモデルのFiiO M15では、AKM社の2019年に発表されたAK4499EQというDACが2つ使われており、この部品の単価は2020年2月13日時点で9,733円です。 なお、重ねて申しますが、同じ部品を使っていてもデジタルオーディオプレイヤーとしての鳴り方は異なるので、購入の際は好みの音か、試すことを強くおすすめします。

聴いてみる

前提

  • 使用したイヤホン
    • 2.5mm バランス
      • Campfire Audio Orion CK
      • ALO Audio Pure Silver Litz
      • Crystalline Audio Cristal Tips
  • M11 Pro およびM11 Pro SSの設定
    • DSD変換モードを有効
    • ローゲイン
    • 可聴帯域外フィルタは、Short delay Sharp Roll-Off Filter
    • イコライザは、ロック

RADWIMPS Feat. 三浦透子 / 祝祭

Album Title: 天気の子 complete version
Release Date: 2019/11/27
Source: ALAC 16bit / 44.1kHz (Pure Musicモード)
祝祭 (Movie edit) feat. 三浦透子 RADWIMPS MV
この楽曲はM11 Pro SSのほうがマッチしているように感じました。「本当にキミがいい」「君に出会えたこと」の喜びを爆発させる力強く透明感のあるボーカルから、その声に込めた思いが伝わってくるような気がしました。

Felix Krocher / High Pressure

Release Date : 2006/4/21
Album Title: Hardtechno Experience Chapter one
Source: TIDAL HIFI
Felix Krocher – high preassure
焦らされる感じがたまらないです。
ノイジーな音楽は、M11 Proは向かないのかもしれません。M11 Pro SSは、いい意味で大味に仕上げてくれます。また、適切な音量が、M11 Pro SSでは31で、M11 Proでは38と大きく差がでたのも興味深いです。 M11 Pro SSでは、サビでのギターの轟音やギターソロではその他のギター音と重なってもうまく分離ができています。全体としても勢いと迫力があり、聴きごたえがあります。M11 Proだとすこしシュリンクしている印象を持ちました。

5lack x Olive Oil / 愛しの福岡

Release Date: 2013/1/23
Album Title: 5O
Source: ALAC 16bit / 44.1kHz (Pure Musicモード)
愛しの福岡 / 5lack x Olive Oil
低めのピアノとエレピ?鉄琴?の浮遊感のあるムーディな雰囲気を鋭いハイハットが刻むビートの上を、5lackのラップがベストマッチ。久しぶりに聴いたけど格好いいです。 M11 Pro SSは、ハイハットはとても粒度が細かいが、張りのある音。そう、それぞれの音に張りがある。 一方、M11 Proの方がピアノやエレピの音が締まっていて、全体として抜けが良く、空間を感じることができる。また、ハイハットの音も鋭いにも関わらず余韻がある。5lackの声がやや締まっていてより格好いい。どうみてもこいつはやべぇ。

菅田将暉 / キスだけで feat. あいみょん

Release Date: 2019/7/10
Album Title: LOVE
Source: ALAC 16bit / 44.1kHz (Pure Musicモード)
菅田将暉 『キスだけで feat. あいみょん』
菅田将暉とあいみょんのデュエット。菅田将暉が女性目線、あいみょんが男性目線で歌っています。
菅田将暉のざらざらしているけど優しい、想いのこもった声音の切なさをM11 Pro SSはうまく再現できている気がします。多分、ウィスパーな感じで歌っているのでしょうか。M11 Proは、菅田将暉の「ハ」行で耳に刺さることがありましたが、あいみょんが歌うサビの余韻はM11 Proの方が好みでした。

Mitski / Nobody

Album Title: Be the Cowboy
Release Date: 2018/8/17
Source: ALAC 16bit / 44.1kHz (Pure Musicモード)
Mitski – Nobody (Official Video)
M11 Pro SSは、全体的に張りのある音で、跳ねるようなスネアやハンドクラップが気持ちいいですのですが、M11 Proの方が自然な聴こえ方をするので好きです。

NakamuraEmi / 大人の言うことを聞け

Album Title: NIPPONNO ONNAWO UTAU BEST2
Release Date: 2020/2/5
Amazon Music HD / ULTRA HD
NakamuraEmi「大人の言うことを聞け」Music Video
M11 Pro SSは、柔らかくて、でも輪郭がはっきりしていて、伸びやかなボーカルでとても素敵でした。M11 Pro は、ギターやリズム隊が織りなす臨場感の再現度が凄まじく、こっちはこっちで大好きです。

Billie Eilish / No Time To Die

Release Date: 2020/2/14
Album Title: N/A
Source: TIDAL MASTER
Billie Eilish – No Time To Die (Audio)
M11 Pro SSは、ボーカルに薄い膜で包んで綺麗に伸びやかにしているような印象。3:10からの金管楽器?による音の厚みにボーカルが埋れてしまうことはないです。
M11 Proは、ボーカルの感情を剥き出しにしたような、ヒリヒリした印象で、ビリーアイリッシュにマッチしています。分離もこちらのほうが良いと思われます。ストリングスやトランペットが自然な鳴り方で、再現性が高いと感じました。

結論

筐体の素材違いだけでどのような音の変化があるのでしょうか。同じ音源でそれぞれを聴き比べた結果、私は、次のような音の違いを感じています。
  • M11 Proは音場広めで、音の分離というか見通しが良い。音が細い。ギターやストリングスといった楽器の再現やボーカルの表現に長けている。低音域はやや控えめで筋肉質、とても締まっている。全体的に抜けが良く軽やかな印象で、聴き疲れはしなさそう
  • M11 Pro SSは、音が元気でProと比べて音が太く、張りがある。特に中音域でその傾向が見られる。音場はPro変わらないが、一音一音が太いからか、Proと比べると狭く感じる。全体的なバランスはとても良い。誤解を恐れずに言えば、M11がより高い解像度で、より音を分離して鳴らせるようになった感じ
M11 Proは、ギター、ストリングス、トランペットなどの楽器演奏やハスキーなボーカルの表現に長けていて、楽曲にマッチすると琴線に触れるような音色で鳴らしてくれます。
一方、ハードテクノやパンクなど楽曲全体のノリを楽しむような楽曲ではややこじんまりした印象を覚えます。 M11 Pro SSは、どんなジャンルでもバランスよく鳴らしてくれます。音がふくよかになる傾向があるので、のびやかなボーカルはよりのびやかで張りのある歌声に聴こえます。 楽曲とマッチするとどちらもとても好みの音で鳴らしてくれるので、どちらかを選べと言われたら、すごく悩みます。
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